コロナ明け初の年末に向け、酒屋業をDX。創業61年の"IMADEYA"がオンラインストア&会員向けアプリをアップデート。
当社はこれまで、飲食店への卸売を通じて少量生産のお酒を世の中に届けてまいりました。しかしコロナ禍による飲食店の営業自粛や時短営業により、それが十分に叶わない期間が約3年ほど続きました。その中で気付かされたのが「オンラインの価値」です。
当社のオンラインストアの売上は、このコロナ禍で約3.5倍へと拡大。自粛期間の中での、家飲みで日本のクラフト酒を求めるお客様がこれほどまでいらっしゃったことに驚きました。しかし同時に、これまでのオンラインストアでは、多くのお客様に私たちが扱うお酒の魅力を伝えきれないとも感じました。そこで当社は、コロナ禍の中で会員システムのリニューアルの検討を始めました。一旦、2023年の4月にリニューアルしましたがバグや不具合で、多くのお客様にご迷惑もをおかけしました。ただコロナ禍が明け、オンラインの酒屋は役目を終えるのではなく、今回のアップデートでさらなる進化を目指してまいります。
■フォロー機能でお酒と人がつながっていく
「お酒と人がつながる」というコンセプトでリニューアルしたオンラインストア・アプリのマイページには「アイコン画像」「プロフィール文」「ニックネーム・ID」のようなSNSの要素を取り入れています。
ユーザー検索でフリーワード・条件などで気になるユーザーを検索。フォロー機能によって、全国のお酒ファン(ユーザー)とつながることで、お互いの「推しのお酒」や「レビュー」をチェックすることもできます。デジタルの力でお酒と人をつなげ、新しい世代に向けてその魅力を広めていく役割を担っていきます。
■バッジ機能でオンラインとオフラインをつなぐ
「オンラインストア」と「店舗(オフライン)」どちらの購入履歴も同じシステムで管理をできることを活用し、購入履歴に基づいて条件を満たすことで「デジタルバッジ」を獲得することができる「バッジ機能」を実装しました。
(例1.)「IMADEYA GINZA」で1回購入するとGINZAバッジを獲得
(例2.)日本酒を5本購入すると、日本酒バッジを獲得
近年注目されているデジタル資産の観点を取り入れた機能でもあり、オンラインで獲得したバッジをユーザー間で見せ合ったり、バッジを通じて店舗(オフライン)スタッフとのコミュニケーションの機会を増やすことで、当社でのお買い物することに、さらなる付加価値を感じていただきたいと考えております。
また、デジタルバッジのアートはすべて、当社のロゴを手掛けていただいた美術家の「望月通陽」氏に描いていただきました。
■住所がわからない相手にもプレゼントできる
オンラインのさらなるギフト需要に応えるために、住所を知らなくても贈れるeギフトにも対応したShopifyアプリ「All in gift」を導入。SNSやオンラインでの交友関係が一般的になりつつある現在、「お気に入りのギフトを贈りたいけれど、相手の住所がわからない」などの課題がある中で、「All in gift」の導入によって「もっと気軽に」「もっと楽しく」「もっとかんたんに」ギフトを贈り、受け取る体験をユーザーに提供します。
自社でデザインしたデジタルメッセージカードも添えることができ、当社が目指す「デジタルなのに温かみがあるお買い物体験」を追求しています。
■IMADEYA ONLINE STORE & IMADEYAアプリとは?
この度リニューアルしたオンラインストアでは、世界175ヶ国以上で利用されているeコマースプラットフォーム"Shopify"を採用しています。国内のシステムも検討しましたが、日本のお酒の魅力をより多くの方々に感じていただくことを目的に比較検討した結果です。
現在のオンラインストア&アプリには、お酒を人に例えてレビューするレビュー機能や、レビューをきっかけにユーザー同士がつながるフォロー機能、会員ステージシステムなどが備わっています。デジタルに不慣れな業界&私たちなので、まだまだ不具合はございますが、暖かく見守っていただけると幸いです。
■私たちにデジタルを教えてくれたパートナーたち
最後に、今回私たちの挑戦を引き受けてくださったパートナー企業様からのコメントを紹介します。
・ECショップ プラットフォーム提供「Shopify Japan 株式会社」
この度Shopifyでは、いまでや様のオンラインストアと会員向けアプリのリニューアルに伴い、Shopifyのコマースプラットフォームをご採用いただき、またストアとアプリリリースの技術支援も提供させていただく機会をいただき、大変光栄に存じます。今回のプロジェクトは、商品を販売するためのオンラインストア強化ではなく、いまでや様が提供するお酒の魅力を伝え、会員とのエンゲージメントをより強化していくことを目指すもので、当社としても非常にやりがいがありました。技術支援をさせていただく中で、会員コミュニティーでのレビュー機能といった会員向け機能を充実させるなど、通常のオンラインストアにはない試みをShopifyのプラットフォーム上で実現していくことはシンプルではなかったものの、Shopifyのプラットフォームが持つ柔軟性や拡張性、アプリ・エコシステムの充実によって実現できたと自負しております。いまでや様がオンラインストアやモバイルアプリ、リアル店舗での体験を融合することに注力されていますが、まさにShopifyがプラットフォームの提供で目指していることと一致していると感じています。これからも、Shopifyの進化に伴い、いまでや様が目指す、より先進的でおもしろい取り組みを共創していくことをとても楽しみにしています。
・開発アドバイアリー「株式会社Hi-STORY」
設計レビュー、データ分析、およびツール連携を担当しています。 多岐に渡るツール連携と、多くのパートナー様との連携は挑戦的な取り組みでしたが、全体像を理解して潤滑油の役割を果たせるよう努めました。 DXではデータが要です。もっとお酒のおもしろさを伝えていくために、データを活用して挑戦し続けて参ります。
・UIUXデザイン/ECショップ/フロントエンド開発「株式会社つみき」
UI/UXデザインとECフロントエンドを担当しました。「IMADEYA ONLINE STORE」において私たちが目指したのは、従来のお酒のECサイトとは異なる、IMADEYAらしい先進性と伝統を両立したデザインです。本プロジェクトは、弊社でもかつてない大規模なチーム体制での取り組みであり、株式会社いまでや様をはじめ、関係各社様から多くのご協力をいただきました。あらためまして皆様へ心より感謝の意を表します。
・アプリ開発/API・バックエンド開発「anyenv株式会社」
弊社はアプリ開発、API・バックエンドを担当しています。 既存の会員様を新しいシステムにスムーズに移行できること、すべての会員様がてワクワクできるような追加機能を実装しストレスなく利用できるように心がけました。 多数の要件が重なる中、いまでや様と関係各社様と話し合い、如何にパフォーマンスが上げられるかに奮闘しました。いまでや様はじめ関係各社様へ、あらためまして皆様へ心より感謝の意を表します。
・ソーシャルログイン構築「株式会社ソーシャルPLUS」
Shopify App「CRM PLUS on LINE」によりECサイト上のソーシャルログインとLINE連携・配信を担いました。 本プロジェクトではShopifyとネイティブアプリで同等のログイン体験の提供、またLINE公式アカウントを通じてお客様と良い関係が築けるようなメッセージ配信が実現できるよう支援しております。 引き続き、オンライン・オフライン共により良い顧客体験を実現できるようアップデートしていきます。
・会員ランク・ポイント制度構築「株式会社Stack」
弊社「VIP」を利用したEC・実店舗での共通の「会員ランク・ポイント制度」提供を担当しています。 本プロジェクトではIMADEYA様のご要件に出来るだけ則した形で、既存会員様にも新規会員様にも刺さるロイヤリティ制度のご提案と実装を目指しました。 今後も「VIP」を運用頂く中で、新機能の「リワード」「友達紹介」なども織り交ぜご提案させて頂きつつ、IMADEYA会員様の更なる顧客体験向上寄与に努めて参ります。
・ポイント統合構築「株式会社フィードフォース」
店舗とオンラインストアでの会員・ポイントを統合する「Omni Hub」というアプリを担当しています。 いまでや様においては、様々なアプリ、パートナー様とタッグを組んで、やりたいことをどう実現するか、という点が重要でした。 できるだけ明快かつ素早いコミュニケーションを図ることで、いまでや様のDXの取り組みを前に進められるように努めてまいりました。 今後、いまでや様に訪れる多くのお客様の購買体験をご支援できると思うと大変光栄です。 リアル店舗でもオンラインでも、"IMADEYA様らしい"購買体験をお届けできるよう、引き続き丁寧なサポートに努めてまいります。
今回のリニューアルは、このように多くの会社が関わる複雑なものでした。それ故にリリース後はバグも散見され、現在継続中の課題もあります。一部のお客様にご迷惑をおかけしており、大変申し訳ございません。
ただこのリニューアルをきっかけに、日本の素晴らしいお酒たちを、より多くの人たちに届けることができると信じています。今後とも初心を忘れずに尽力して参りますので、暖かく見守っていただければ幸いです。