大迫佐藤葡萄園の2022年は、落ち着いたヴィンテージ
日本ワインの文化振興・販売促進事業を展開する株式会社LASTSHIP(本社:広島県広島市、代表取締役社長:山下武)が運営する日本ワイン専門のモール型ECプラットフォーム「わいんびと」は、日本ワインの産地PR支援プログラム「ヴィンテージレポート」(以下、本プログラム)で、わいんびと生産者パートナーの大迫佐藤葡萄園(所在地:岩手県花巻市、代表:佐藤直人、以下大迫佐藤葡萄園)のヴィンテージレポートを発表いたします。
本プログラムは、日本ワイン生産者のヴィンテージレポートを発表し、日本各地のワイン産地の動向を年次で分かりやすく伝え、日本ワインの飲用体験をより価値のあるものにするための日本ワインの産地PR支援プログラムです。ヴィンテージはぶどうの収穫年を指し、ヴィンテージレポートは「ぶどうの生育」「収穫時期」「ワインの出来」で整理してヴィンテージ動向をまとめたものです。
本プログラム概要
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000093187.html
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大迫佐藤葡萄園(岩手県)の2022年ヴィンテージレポート
総括
2022年を一言で表現するなら「落ち着いたヴィンテージ」。2022年は開花前(4月)の高温と開花期(6月)の低温による顕著な気温変動による花振るいで結実不良が多発しました。その後8月の多雨と日照量不足、9月の残暑と夜間の高温による少日較差で着色進行、糖度向上が緩慢で気象的には試練の年でした。醸造面は温度管理を徹底しオーソドックスな醸造を行い品種本来の果実味の表現に心がけました。 -
気温:最低気温は各月±1.3℃以内で季節に応じた気温でしたが、最高気温は4月が対平年+2.5℃で開花前の生育が早く進みました。一方、6月は対平年-0.9℃且つ日照時間が短く花振るいが顕著で結実不良が発生しました。また、8月は対平年-1.4℃と他の要因(降水量、日照時間)と相まって着色進行が緩慢でした。1年を通して最低気温の変動は少ないが最高気温の変動が顕著でした。有効積算温度は最高気温の高め変動の影響を受け、対平年+80℃だったものの、生育面へのアドヴァンテージは多くありませんでした。
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降水量:8月に360mm(対平年+200mm)を記録し積算降水量も対平年+140mmでした。8月除く月は平年並みでした。日照時間、日較差が少なかった影響もあって、早生品種では糖度上昇が緩慢でした。
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日照時間:4,5,7月は良好でしたが、6月の開花期に対平年-30hr且つ最高気温が低かった要因から例年では見られないほどの花振るいが発生しました。
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日較差:最近の傾向として早生品種の収穫期である9月は残暑且つ最低気温が下がらず日較差が少ない状況です。毎年糖度の上昇度合をにらみながら収穫日を探る状況にあります。
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ご参考)大迫佐藤葡萄園(岩手県)の2021年ヴィンテージレポート
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000013.000093187.html
ぶどうの生育
冬12-2月
当園圃場がある大迫町は北上山地内の盆地であることから、冬の寒さは厳しい一方で積雪量は周辺地域と比較して少ない方です。2021年末から2022年2月前半にかけて厳しく冷え込む日が続き、年末の降雪がそのまま根雪になり春先まで積雪した雪が多い年でした。この時期、雪深いため圃場に入ることはできません。デスクワークが主体で今シーズンの計画作成などを行います。寒さが和らぎ始める2月下旬ごろから今シーズンの栽培管理作業の第1番目として剪定作業が始まります。
春3-5月
日最低気温はほぼ平年並みの一方、日最高気温は3月中旬から5月中旬にかけて平年を上回り、平均気温も平年を上回る暖かい日が続き、発芽・展葉は平年より早く進みました。この時期は剪定、施設に絡みついた巻き蔓の除去、粗皮剥ぎ、施設の補修など、発芽に向けての準備、発芽後に芽の間引きや雨避けビニールを張る作業を行います。
夏6-8月
日最低気温はほぼ平年並みの一方、最高気温は6月上旬の7日間平均で対平年-5.5℃と寒い日が続き、日照時間も6月上旬は対平年-42時間で花振るいが発生しました。開花前までは好天が続き生育は平年より早めでしたが、開花直前の5月下旬~6月上旬にかけて、最高気温が20℃以下の日が頻回したため花穂形成と開花のバイオリズムに悪影響を与えたのが要因との地元研究機関の見解でした。
また、開花期の日照時間が平年と比べて少なかったことも一因と思われます。8月は長雨による日照量不足で果粒肥大、糖度上昇が緩慢でした。
秋9-11月
9月に入り気温は平年並みで降水量も少な目でしたが、曇天が続き日照時間が多くありませんでした。そのため糖度がなかなか上がらず、房の劣化も見られたため、連日の病果の除去作業や収量調整の間引きを行いました。
収穫状況
2022年は当園の2つ目のヴィンテージとなりますが、昨年と比較して収穫前の房をなるべく健全に保つ作業や糖度酸度の推移を見ながらの収穫日の判断が難しい年でした。早生品種の収穫直前の9月上旬は降雨日が少なかったのは良かったのですが、最高気温、最低気温ともに高く日較差が少ない日が続いたため、糖度を見ながら収穫日を待っていましたが、降雨予想により結局ツヴァイゲルトレーベは平年より低い糖度で収穫日を迎えました。晩生品種の収穫時期は9月下旬から10月中旬となりますが、この時期は秋雨前線も南下し晴天の日が続きます。8月9月の天候不順の挽回を期待し例年より遅めの10月中旬以降にソービニヨンブラン、メルロー、リースリングリオンを収穫しました。
ワインの出来
ヴェレゾン期の天候不順により房の劣化が見られましたが収穫前の病果の除去作業の徹底により収穫したぶどうの状態は良く、発酵前の酸化防止剤添加は最小限に抑えることが出来ました。醸造過程での温度管理を徹底し、品種特性を生かした落ち着いた味わいに仕上がりました。
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2022年ヴィンテージのおすすめワイン
山のブラン2022
商品URL:https://nihonwine.net/products/satou-yamanoblanc
自社圃場のソービニヨンブラン60%、リースリングリオン40%のブレンド。リンゴや洋梨を想わせる香りと味わい、爽やかな口当たりから続く微かな甘みをほろ苦さが引き締める、辛口ワインに仕上がりました。リースリングリオンは、リースリングと甲州三尺の交配品種で、岩手を代表する白ワイン品種です。酸味が爽やかで強いのが特徴なので、天ぷらの塩などによく合います。
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大迫佐藤葡萄園とは
大迫佐藤葡萄園は、岩手県花巻市大迫町に2021年に新たに誕生した、代表(佐藤直人)が栽培から醸造まで一貫して手掛けるドメーヌスタイルの個人ワイナリーです。
エンジニア時代のデータ分析スキルを活かしてスマート農業を取り入れ、経験に頼りがちな農作業をデータで可視化することで、熟練者に近いレベルでの栽培を目指して取り組みを進めています。特に赤ワインは平均樹齢25年以上の古木のぶどうから造られるため、深みのある味わいのワインになります。
ワインのスタイルは「大迫町らしさを健全なぶどうだけで表現したクリアなワイン」。冷涼な酸味と果実味があり、重くないがエキス感があって飲み心地がいい。そんな大迫町らしさをワインで表現しています。栽培で最も重視しているのは、ヴェレゾン期(色づき)までに房の健全性を保つこと。ひと房ひと房、病果を丁寧に取り除くことで、収穫時期に選果をしなくても健全なぶどうだけを収穫することができます。結果として、健全な発酵を促し、クリアな味わいのワインに仕上がります。
屋 号:大迫佐藤葡萄園
所在地:〒028-3203 岩手県花巻市大迫町大迫第1地割5-41
代表者:佐藤 直人
概 要:https://nihonwine.net/pages/seller-profile/satou-budouen
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わいんびととは
わいんびとは、「日本ワインを近くする。」をコンセプトに、日本各地の日本ワイン生産者から直接ワインをお取り寄せできる、日本ワイン専門のモール型ECプラットフォームです。日本ワインならではの「距離の近さ」を活かした安心の生産者直送で流通によるワインへの負荷を最小限に抑え、デリケートなワイン本来の味わいを損ねることなく国内最短ルートでのお届けを実現。初めての方にも安心してご購入いただけるよう、生産者に直接ワインの質問や相談ができるメッセージ機能も提供しています。
サイトURL:https://nihonwine.net/
提供エリア:日本国内のみ
登録生産者:日本ワイン生産者のみ
決 済 方 法:クレジットカード(VISA、JCB、MASTER、AMEX)、Amazon pay、あと払い(ペイディ)
ユーザー登録:無料 ※ユーザー登録後、ログインすると全ての機能がお使いいただけます。
サービス概要:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000093187.html
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LASTSHIP 会社概要
会社名:株式会社LASTSHIP
所在地:〒731-5117 広島県広島市佐伯区八幡が丘1-8-32
代表者:代表取締役社長 山下 武
設 立:2018年3月
事 業:日本ワイン専門のオンライン市場わいんびとの企画・開発・運営、酒類の卸売・小売業
概 要:https://nihonwine.net/pages/company